随分昔に死についての本をいろいろと読んだ時期があった。
キュブラー・ロスの「死ぬ瞬間」は衝撃的だった。
彼女は、いわゆる終末期の患者数百人にインタビューして、死を受容するまでのプロセスを分析したのである。
その段階は5つあって、以下のような段階をたどる。(ウィキペディより引用)
第1段階 「否認」
患者は大きな衝撃を受け、自分が死ぬということはないはずだと否認する段階。「仮にそうだとしても、特効薬が発明されて自分は助かるのではないか」といった部分的否認の形をとる場合もある。
第2段階 「怒り」
なぜ自分がこんな目に遭うのか、死ななければならないのかという怒りを周囲に向ける段階。
第3段階 「取引」
延命への取引である。「悪いところはすべて改めるので何とか命だけは助けてほしい」あるいは「もう数ヶ月生かしてくれればどんなことでもする」などと死なずにすむように取引を試みる。神(絶対的なもの)にすがろうとする状態。
第4段階 「抑うつ」
取引が無駄と認識し、運命に対し無力さを感じ、失望し、ひどい抑うつに襲われなにもできなくなる段階。すべてに絶望を感じ、間歇的に「部分的悲嘆」のプロセスへと移行する。
第5段階 「受容」
部分的悲嘆のプロセスと並行し、死を受容する最終段階へ入っていく。最終的に自分が死に行くことを受け入れるが、同時に一縷の希望も捨てきれない場合もある。受容段階の後半には、突然すべてを悟った解脱の境地が現れる。希望ともきっぱりと別れを告げ、安らかに死を受け入れる。
私は告知を受けて最初はとまどい、死を覚悟して、上記の2段階までをたどったような気がする。
この病気について色々と調べたり、担当医のT先生の説明を聞いて、まだまだ自分の人生には時間が残されているという気になった。
でも本当のところはどうなんだろう。意外と進行が早くて、どんどんと具合が悪くなったりすることもあるんじゃないかと、なんかそんな不安な気持ちも心の中でグルグルと回って、嫌な気分になる時もある。
いつか自分にも上記の段階を受け入れなければならない時が来るだろう。それは随分と先のことなのか、意外と近い未来のことなのか、それこそ神のみぞ知るである。
本当は、まだまだ不安な気持ちがいっぱいで日々を過ごしているのである。